ストーリー
第19回明治大学シェイクスピアプロジェクト
始まりは、アテネ公爵シーシアスと、アマゾンの女王ヒポリタの婚礼の時が近づく、とある夏の日のこと……
愛し合うライサンダーとハーミアの仲を、ハーミアの父イジーアスは引き裂こうとしていた。イジーアスはハーミアの結婚相手としてディミートリアスを勧めるが、ハーミアはそれを拒み、ライサンダーと駆け落ちをしようとする。ハーミアの親友ヘレナは、ディミートリアスに心底惚れ込んでおり、駆け落ちの計画を彼に話してしまう。四人の恋人たちは、夜の森へ入っていく。
一方、公爵の結婚式の余興で芝居をする六人の職人たちも、稽古をするために森へ向かうのだった。
そんな森は、妖精の世界。王オーベロンと女王ティターニアはインドのかわいい小姓を巡って大喧嘩中。オーベロンは、その露を瞼に垂らせば目覚めて最初に目が合ったものにたちまち恋をしてしまう「恋の花」をティターニアに使い、小姓を手に入れようとする。
作戦は大成功。ティターニアはパックによってロバ頭にされた職人、ボトムに恋をし、すんなり小姓をオーベロンに引き渡したのだった。
オーベロンとパックは四人の恋人たちにも「恋の花」を使い、彼らの恋を成就させようとしたが、使う相手を間違えて、恋人たちは大混乱。
二人で魔法を解いたり、かけたり、夜の森を駆け回り、どうにかこうにか丸く収まった頃には、もう夜が明け、妖精たちの時間は終わろうとしていた。ティターニアの魔法も解き、オーベロンたちは森を去っていった。
そして、目覚めた二組の恋人たちと、シーシアスとヒポリタの結婚式が行われる。職人たちの芝居も大成功。物語は幸せに幕を下ろすのだった。
しかし、それもこれもあれもどれもすべて、パックの見た夢だった……かも?