ストーリー
第19回明治大学シェイクスピアプロジェクト
始まりは、アテネ公爵シーシアスと、アマゾンの女王ヒポリタの婚礼の時が近づく、とある夏の日のこと……
テーベとの戦争で夫を亡くした三人の王妃たちが、シーシアスに宣戦布告をするよう求めにやって来た。早く結婚式を挙げたいシーシアスだったが、ヒポリタとその妹エミーリアから強く頼まれ、ついに開戦を決心する。
テーベの貴公子、アーサイトとパラモンは、叔父クレオンの悪政を嘆いていた。開戦の報せを受けた二人はすぐさま戦場へと赴く。
戦はアテネ軍の勝利。アーサイトとパラモンは牢へ入れられる。
二人は、牢の中で目にしたエミーリアに一目ぼれ。それはパックが二人に、その露を瞼に垂らせば目覚めて最初に目が合ったものにたちまち恋をしてしまう「恋の花」を使ったからであった。
その後、牢から解放され、アテネから追放となったアーサイトは、エミーリアへの思いを断ち切ることができず、変装してアテネに戻ってきてしまう。そして、どうにかエミーリアの従者の地位を勝ち取るのであった。
一方パラモンは、彼を一途に想う牢番の娘によって牢から逃がされ、アテネの森をさまよっていた。娘もパラモンを追って森へ入るが、ついにパラモンに会うことは叶わず、絶望のうちに狂ってしまうのだった。
森で出会ったパラモンとアーサイトはエミーリアを巡り喧嘩をするが、シーシアスが止めに入り、改めて決闘を行うことになる。
決闘に勝利したのは、アーサイトだった。
パラモンが処刑されようとしていたその時、シーシアスの忠臣パイリトゥスによって、アーサイト瀕死の報せがもたらされる。二人は互いの友情を確かめ合ったが、アーサイトはエミーリアをパラモンに託し、息を引き取ってしまう。
そして、シーシアスとヒポリタの結婚式が行われる。職人たちの余興も行われ、物語は幸せに幕を下ろすのだった。
しかし、それもこれもあれもどれもすべて、パックの見た夢だった……かも?